3 『甘藷百珍』に見る甘藷料理のバリエーション | ||||||||
123 種類の甘藷料理 | ||||||||
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奇 品 | ||||||||
● 御手洗いも | ||||||||
生のいもをすりおろします。それにうどん粉を少し入れて、キンカンほどの大きさに蒸します。青竹のくしに5個ずつさして、砂糖じょうゆをつけながら焼きます。同じアイデアの料理として「みたらし団子」というのがあり、現在もスーパーなどで販売されています。 |
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● 茶巾いも | ||||||||
いもを蒸しあげて、ふるいで裏ごしし、布に適当な量を包んでねじります。鹿児島県には、古くから伝わるいも料理の一つとして「いも茶ちゃきん」というのがあります。ふかしたいもをつぶし、砂糖を少しくわえて茶巾しぼりにして仕上げます。 戦後になって、全国各地の小学校でも、家庭科の時間にこの“ いも茶きん” の作り方を実習したようです。 茶巾とは、茶わんをふくために使うふきんのことで、つぶしてダンゴ状にしたいもを、きつくしぼったぬれ茶巾に包みます。それをしぼり、かたちをくずさないようにそっとひろげると、茶巾のしぼったもようができあがるというわけです。 |
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● 衣かけいも | ||||||||
生いもを適当な大きさに切ります。うどん粉を水にとき、しょうゆを少し入れます。これを切った生いもにまぶし、油で揚げます。また、いもとしょうがを細切りにして、同じように衣をつけて油で揚げます。 |
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尋常品 | ||||||||
● 藷 精 | ||||||||
生いもをすりおろし、水に入れてふるいでこします。その水を取り除き、底に沈んだいもを取り出し、また水を入れてこし、これを4~5回繰くり返します。取り出したいもを日に干して乾燥させ、たくわえておいて、必要なときに使います。葛粉(くずの根から取ったでんぷんを主な成分とした粉)のかわりに使います。 |
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● 焼いも | ||||||||
いもを丸のまま、わらの熱い灰の中にうずめるとよい。近年、焼きいもの新しい作り方が世間で行われていますが、味わいは、この「うずみ焼」にはおよびません。 |
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● いも雑炊 | ||||||||
生いもをおろし、ご飯をよく煮にた中へ入れます。みそ味、塩味どちらでもよく、青葉をきざんで入れるとよいでしょう。 焼きいもをふるいで裏ごしして入れてもよいでしょう。 |
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妙 品 | ||||||||
● 加須低羅いも | ||||||||
生いもをすりおろし、たくわえておいた藷精を少し混ぜ合わせます。それに鶏の卵と砂糖を同じ量だけくわえ、焼きナベで上下を焼きます。 |
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● 羊羹いも | ||||||||
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絶 品 | ||||||||
● 田楽いも | ||||||||
いもをすりおろし、薄板の箱はこにいれ、箱ごと蒸します。 蒸しあがったら、適当な大きさに切って、くしにさし、みそをつけ火にあぶって焼きます。 みそは木の芽のみそ、山椒みそ、わさびみそなどお好みのものをつけて食べます。 |
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● ふはふはいも | ||||||||
生いもを水にひたし、塩をべったりぬりつけ、炭火にかけて蒸し焼きにします。塩ガマ(塩を作るカマド)からかき出した熱い塩に、いもを埋めて焼いたのは風味がとても良い。 これが、いも百余品の中でも第1品といえます。塩竈蒸しいもとよびます。 |